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2018年6月アーカイブ

Crazy Mouse

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1775ccの排気量と徹底した軽量化でタイムを叩き出す。

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Crazy Mouseに搭載されるドラッグマシンとしては小さく思える1775ccというエンジン。あのInch PincherやInch Pincher too他、有名ドラッグレーサーたちのシリンダーヘッドを担当していたFF HEADS フミオ・フカヤ氏の愛弟子であり元FF HEADS JAPAN代表、現NANO SPEED代表の長野氏が製作したものだ。この車高、華やかなレタリング、そしてInch Pincherの流れを受け継ぐ由緒正しいエンジンをわざわざ積んでいるということは、当時のVW GASSERを現代に再現するために、さぞや当時の資料を研究し尽くして一つ一つトレースしていったのだろう。

 初めてのVWであるカルマンギアでドラッグレースを楽しんでいた渡辺さん、当初は仲間たちとマイルドなストリートエンジンでエントリークラスに参戦していた。しかし仲間たちが徐々にステップアップし、エントリークラスでは無く13秒台〜14秒で争う上のクラスで走るようになった。自分も同じクラスで走りたかったがその時積んでいた1775ccでは到底14秒以下で走ることは難しい。たどり着いた答えが、自分たちの努力でできる軽量化を頑張れば1775ccでも14秒を切れるかもしれないというもの。

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資金の目処が付き、長野氏のノウハウが詰まったシリンダーヘッドを組み込んだことでエンジンが完成。2009年秋、シェイクダウンの日がやってきた。兄弟で向かった仙台ジャパンドラッグレースウェイでの目標タイムは13秒台、13秒99でもいいからと兄弟たちが見守る中、予想を大きく上回る13秒前半のタイムを叩き出した。まっすぐ走らず恐怖の直進安定性という課題は残ったが、兄弟たちと作り上げたクルマで目標を達成するという願いは予想外の好成績と共に叶った。その後、足回りの改善、FRPフェンダーの採用などさらなる進化をコツコツと繰り返し、ついにベストタイム12秒35という驚異的なタイムで走るまでに進化する。5年間、見た目は後回しにパフォーマンスをアップのみを追求してきたが、2014年、仙台ジャパンドラッグレースウェイがその年で閉場するというニュースをきっかけに、今まで後回しにしてきたエクステリアの仕上げを決意する。ぼんやりと思い描いていた姿を現実にするために、当時の時代背景や車重と排気量で分けられる当時のNHRAのレギュレーションを研究、MOONEYES、WILD MAN石井氏にレタリングとピンストライプを依頼した。ちなみにリアクォーターに描かれたI/GはVW GASSER達が当時の最先端の技術を競っていたH/Gの一つ下のクラスにあたる。リアフードに描かれるネズミとCrazy Mouseという名前は、シボレービッグブロックを示すRAT MOTORという通称にあやかってつけられたもの。

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世界中のコスプレイヤー達がebayで探し回るようなマニアックなパーツなど無しにCrazy Mouseが、あの時代の空気を感じさせるのは、お手本もハイパフォーマンスパーツもあまり無い時代に様々なアプローチの試みを繰り返し手探りで進化させてきたVW GASSERたちと、聞きかじりの知識や先入観に惑わされることなく兄弟と仲間たちの絆の元、試行錯誤しながらも目標に向かって目の前の問題に立ち向かうという渡辺兄弟のスピリッツがリンクしているからというのは少し考えすぎだろうか。

熱い走りが見られるDrag Raceが2018年6月24日、ツインリンクもてぎで開催される。詳細はStaginglane.netでCHECK!

photo/K.WADA(和田清志)

LET'S PLAY VWs52にて掲載

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